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【屍鬼】ホラーの金字塔多すぎ問題

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20年以上前の小説のネタバレかぁ。いっちょ頑張ってみるか

屍鬼しきとは───死後に起き上がりよみがえった者のことで、その鋭い牙で生者の生き血をすすって永らえている。生前の記憶を持ち容姿も以前と遜色そんしょくないが、その肉体は既に生命活動を終えていて、ただただ冷たく呼吸すら必要としていない。陽光を浴びればまたたく間に全身が焼けただれ、闇夜よるが明ければ問答無用で昏倒してしまう、それらの欠点を克服している“人狼じんろう”と名付けられた彼らに成りきれなかった失敗作…それが屍鬼の正体だ。哀れで悲しいしかばね達の総領である桐敷沙子きりしきすなこは、それでも自分達を人間と同じカテゴリーにとどめずにはいられなかったのだろう。安全なコミュニティを作り、かつての日常と同じように何者にもはばかるることなく過ごしたい。その欲求は血よりも甘美かんびな誘惑だったに違いない。

辰巳たつみくんがねぇ、もうちょっと沙子ちゃんに忠告してあげていたら、結末が変わってたと思うんだよね。なぁに?このロリコ…ロリ…?“人狼”として起き上がった者の境地なのかも知れないけど、辰巳くんの虚無主義と終末思想はやたら鼻につくんだよねぇ。転がり堕ちて行く様が美しい…じゃねえっつーの‼️愛玩動物をでてるつもりかテメーは‼️沙子ちゃんが静信さんに興味を持った時点でもっと厳しくいさめなさいよ。側仕そばづかえの役目でしょー⁉️

彼女は慎重に、そして狡猾こうかつに事を進めていた。外場村を見つけたのは偶然だったが、の土地を選んだのは必然であった。あの村では死者は荼毘だびに付されない─────。沙子は危険を承知の上で村に越してきたのだ。大切な仲間達と共に─────。外部から閉ざされた小さな狭い山村に、彼女達は着々と楽園のいしずえを築いていく。村人を間引いて生き血をかてとしながらも、起き上がった者達は新しい仲間として迎え入れる。そして彼らもかつての同胞を、家族を、隣人を糧にするために襲撃するという醜悪しゅうあくなサイクルが形成されるのだ。

本当に惜しいところまでいったのにねぇ。沙子ちゃんが静信さんと接触しなければ、屍鬼の勝利で終わったんじゃないだろうか。もちろん作中で辰巳くんが指摘した通り、肉食動物が草食動物より繁栄することはあり得ないのだけど…。ただし、肉食動物に知恵があり獲物を繁殖させる技術があるとしたら?一体どっちに軍配ぐんばいが上がるのかな??

不快な死臭が徐々に充満していくなか、村中をむしばむ異変に逸早いちはやく気付く者達が現れだした。村内の医療いりょう葬祭そうさいを一手にになう敏夫と静信、住民の異常な死亡数に気が付いた役所に勤める石田いしだ氏など大人達が疫病えきびょうを疑い始めるのと同じ頃、村の子供達もまた異様な気配を察知する。結城夏野ゆうきなつのは少し前に亡くなったはずの同級生、清水恵しみずめぐみの気配に苛立っていた。彼女は何故死した後までも無遠慮ぶえんりょな視線を自分に向け続けるのか。不明瞭ふめいりょうな彼女の幻覚を見た数日後に親しい友人が死に、夏野は視線の主に問いかける。次は俺なのか…?と。沈黙する闇に見せつけるように、かつての同級生からの手紙を破り捨て戸を閉める。─────足音とかすかな嗚咽おえつが近づいてきて、夏野は彼女が墓から起き上がったことを知った。

めぐみちゃん嫌われすぎて不憫で可愛いわ~。このお嬢さんが作品のアイコニックヒロインだと思うけど、(沙子ちゃんはストーリー上のラスボスだから)普通に暮らしていた若い女の子が死んだり生き返ったり懸命にEnjoyしてるから応援したくなる不思議ミステリー。夏野はさぁ、ひねくれ過ぎだろ~。でも、こまっしゃくれて可愛げがあるってとおるちゃんの見方もわかるわー。子供達のターンは、子供だけで屍鬼ゾンビに対抗したり、信頼にあたいすると判断した大人に相談したら一笑いっしょうされて失望したり、ぞんざいに扱われて憤慨ふんがいしたり、夏休み感マシマシで楽しく読み進められました。末路は皆等しく一級のホラーが堪能たんのうできて大満足ですよ、私は。

かおり、あんたの父親は死んだからね─────。めぐみちゃんがそう言った夜にお父さんが死んだ。恵ちゃんはお墓に埋められていたはずなのに、起き上がってうちに来た。それからしばらくしてお母さんも死んでしまった。弟も帰ってこない…あきら…あんたも恵ちゃんに殺されちゃったの?恵ちゃんどうしてなの?友達だったのに、どうして私達に酷いことをするの?恵ちゃんどうして?嫌だよ昭、私を独りにしないでよ。恵ちゃんどうして!?恵ちゃん!!あんたなんか友達じゃない!!─────玄関を開けようとしていた誰か───恵ちゃんに決まっている───が、しびれを切らして庭に回り込み掃き出し窓から侵入してきた。かおりは手に持っていたそれをより一層強く握りしめた。恵にはもう何も奪わせないと誓ったのだから。薄ぼんやりとした窓越しの月明かりに助けられ、かおりは侵入者に忍び寄った。そこにはよく知る人物が立っていた。─────お父さん─────!?顔面は恐ろしく蒼白で昆虫むしのように無感情な黒目がこちらをうかがっている。かおりは全てを理解した、お父さんがお母さんと昭を奪ったのだと─────!!

いいねー。いいねー。ホラーの醍醐味だねー。昭くんの描写は、本家にゃ絶対に敵わないですよ。時計の秒針の音が夢に出てくるなんて、なかなか経験出来ないって。いたいけな少年の凄惨な末路にやるせなさをにじませる笈太郎おいたろう爺ちゃんにグッときて参るわ。昭くんはお父さんに殺されたのではないのが余計に無情よねぇ。かおりお姉ちゃんはよく頑張ったよ。よくやり遂げた。

ここまでで、約1/3…かな?何しろ全1000ページ以上の大作だからねぇ。私の大好きなっちゃんがまだ出とらんやんけ❗推しの活躍は次の更新でネッチョリと紹介します。おかんに入って待っててね。

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